
人事ふんとう記インタビュー
人事配属は、現場の課題感を解決するチャンス
「『どうやったら働きやすくて、でも働き甲斐もあって、会社の成長に繋がるのか』を念頭に、議論を重ねていきました」。人事制度改革についてそう話すのは、一般財団法人 沖縄美ら島財団で総務課長を務める山口茜さん。
山口さんは2006年に入社して以降、広報やISO事務局、公園管理や庶務など、多岐にわたる職務を行ってきました。様々な現場経験の末2023年6月に総務課に配属となり、人事を担当することに。
初めて担う人事職は手探りの連続でしたが「現場をずっとやってきたからこそ解決したいと考えていた課題を解決するチャンス」と捉え、数々の施策を模索します。
まず絶対にやりたいと思ったのは「契約社員の正社員化」。
さらに給与制度や待遇の見直し、人事考課の仕組み作りなどの施策を通じて「頑張っている人が評価される仕組みを作りたい」という想いの具体化を目指しました。具体化のお手伝い役として、ワダチラボも参画することに。
「やりたいことは次々と浮かぶけれど、専門知識がありません。協力してくれる方と一緒にやりたいと考え、ワダチラボさんに相談しました。ワダチラボさんには財団の社内研修を担当いただいており、社員の顔が分かっているので、人の顔を思い浮かべてもらいつつ制度を構築できれば、血の通った制度になるのではと思ったんです」。
議論と施策を繰り返し、現場がよくなるための改革を
1ヶ月のうち6時間はワダチラボとの議論にあてていた山口さん。
「年度末にはどうなっていたいか」から始まり、現状把握や現実的な目標設計、具体的な取り組みなどを決めながら、「契約社員の正社員化」をはじめ、新しい賃金制度と評価制度、職場環境整備(病気休暇やライフサポート休暇等)の構築と公表を実現しました。
「実は一番難しかったのは給与形態の変更です。はっきりとした課題はあったものの、給料は人の生活に直結するので、どう構築していけばいいかとても悩みました。評価制度を同時進行で見直しながら、慎重に行いました」。
見直しにおいてはワダチラボ協力のもと、様々な賃金体系の事例を教えていただきながら、繰り返しシミュレーションを行い、マニュアルも制作。
「役員にも何度もご意見をいただきました。その甲斐あってか、当初の目標通り正社員化を実現できほっとしています」。
人事担当になってからの 10ヶ月を振り返り、大変だったことを尋ねると「難しいことはあったけど、苦労はしていないかも。皆が助けてくれたからできました」と山口さんは笑います。
制度は作った後、浸透させていくことが重要です。今後はメンタルヘルスやテレワークのための仕組みづくりも強化していくとのこと。
バイタリティ溢れる山口さんの改革は、これからも止まりません!
1日のタイムスケジュール
6:15 起床、身支度
7:00 朝食、新聞チェック
8:10 車でPodcastを聴きながら出勤
9:00 始業、朝会、メール返信
12:00 会議、アポイント対応など
12:30 お昼休憩
13:00 打ち合わせ、会議、資料作成など
18:00 退社
18:30 沖縄県経営者協会女性リーダー部会の活動
22:00 帰宅
23:00 入浴、読書、ニュースチェック
24:00 就寝
人事ふんとうTOP3
第3位 給与形態の変更
これまでは役職間で重なりがあった給与形態について、責任に応じてメリハリをつけるなど見直した。また、財団の方針やルールを基に、評価の基準を新たに設定。ワダチラボさんに様々な給与体系の事例を紹介いただきながら、財団にあった仕組みは何か、役員とも議論を重ねながら構築した。

第2位 積極的な採用活動
沖縄を代表する施設の運営を通じて、沖縄への愛情や熱意がある人と一緒に働きたいという想いのもと、採用活動の時期を早め、会社説明会の実施や、地元の大学への訪問など、積極的にPRを行う。採用活動の時期も4ヶ月早めた。

第1位 人事制度改革における説明会の実施
人事制度の大幅な改革に伴う説明会を実施。働き方や立ち位置が大きく変わる職員に対して事前に適切なフォローを行う。また、予想される質問に対してはQ&A形式の資料を用意することで、説明会当日の混乱を防いだ。

おすすめの本 『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』
「野菜炒めは素材の持つ水分で火を通す調理法。水分不足だから野菜が焦げる」など目から鱗な料理の基本を学べる一冊。「思い切ってやってみる」「目指すところをイメージする」など仕事に共通する教訓も多いとか。ビジネス書の合間にどうぞ。

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