中部興産株式会社さま vol.06

【OJT研修】真逆の考え方を持つ部下に適切なアプローチができた

日本企業では主流となっているOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)
不安解消や定着率アップなど、メリットが多い中、運用のポイントをおさえずに取り組むと、トレーナー(指導者)のリソース確保の問題やトレーナーとトレーニー(指導される側)の相性に成長が左右されるなどの問題が起こることもあります。
ワダチラボでは、OJTに悩む企業様に向けてOJT研修を実施。今回は、昨年度OJT研修を受講してくれた中部興産株式会社の人事担当・山城さんと、研修に参加してくれたトレーナーの城間さん、トレーニーの永山さんに感想をお聞きしました。

※OJT・・・実務をベースに知識やスキルを習得させる育成手法

以前の依頼先は、研修に人事が介入できなかった

中部興産株式会社は、3年前より新卒一括採用をスタートしました。当時、社内で若手を育てる仕組みが整っていなかったため、県外の会社にオンラインでOJT研修を依頼したそうです。ですが依頼した会社の方針は、トレーナーの研修はスタート時のみ。また、フォローアップの依頼やトレーニーの研修に人事担当が同席するには費用が発生します。
「研修の進捗が分からず、意向を汲み取ってもらう機会も得られませんでした。よい点ももちろんありましたが、弊社の現状に沿っているか疑問がありました」と人事担当の山城さん。
そこで前職が同じだったワダチラボのリムに声がかかりました。
前職では同じ部署だったというリムと山城さん。
研修嫌いだった山城さんに、当時社内研修講師だったリムが半ば強引に誘った研修が面白かったそうで「研修って楽しいんだと、リムさんから教えてもらったんです」とのこと。「そのイメージがあったので、OJT 研修の現状をリムさんに相談しました。
すると、弊社の課題や要望に合わせた様々な提案をしてくれました。アイディアを出しながら一緒にやっていけるのはいいなと思い、ワダチラボにお願いすることにしたんです」。

作り込んだ資料は使わず、フリースタイルに!
現場の悩みに合わせた研修を実施

早速、ワダチラボによる研修がスタートしました。
全6回の研修では、山城さんが見守る中、各店舗のトレーナー4名が集まりトレーニングを行うスタイルで進行しました。
まず最初に行ったのがコミュニケーションスタイル(各人が持つコミュニケーションの癖を4つに分類する)診断。それぞれのトレーナーが何スタイルなのかを抽出し、スタイルのクセを参照しながらコミュニケーションにおける知識やテクニックのレクチャーを行いました。
3回目からは、テキストはありつつも、現場で起こった事例や悩みを共有し合い、意見を出し合うスタンスで進行することに。
つまりフリースタイルです。実は研修が始まる前に、山城さんより「とにかくトレーナーの不安が解消されることを重視して欲しい」とのオーダーを受けていたリム。
なるべく現場の現状に合わせながらサポートを行いました。
意見交換では、それぞれ自身のトレーニーの課題を共有しますが、多種多様な意見が飛び交いました。偶然にも、今回のトレーナーの4人、コミュニケーションスタイルが全員バラバラ。タイプの違うメンバーが4人集まることで、自分とは異なる意見を出し合うことができ、視野が広がったとトレーナーの城間さんは話します。

私と私が担当する永山くんは、コミュニケーションスタイルでいうと真逆の存在でした。私は大雑把なのに対し、彼は1〜10まで知りたいタイプ。だから伝え方に悩むこともありましたが、研修で色んな意見をもらうことで、自分にはない意見を拾うことができて良かったです」。
たとえば城間さんが、「こういうことに悩んでいる」と事例を伝えると、「こういう風にも受けとれない?」「見方を変えたら褒めポイントかもしれないよ!」など思いもよらない角度から気づきを得られることがしばしば。研修で新たな気づきを持ち帰り、現場で実践してみる。そしてまた研修で意見を持ち寄る。その繰り返しにより、徐々にトレーニーとの関わり方を学んでいったのだそうです。

最初は「負担に感じていた」

実はトレーナーに任命された時、城間さんは不安だったといいます。
「OJTが初めてなのはもちろん、実は配属する店舗が異動になったばかりのタイミングだったので、自分の業務も覚えないといけない中で教えられるかな?と不安でした。正直、負担に感じていました」。
ですが研修を通してコミュニケーションの大切さを学ぶことで、徐々に仕事を教えるという意識から、自分も楽になるために一緒に勉強しようという意識に変わったのだと言います。
「印象的だったのは、しかり方です。テクニックとして相手の話を聞いた後に自分の意見を言うことが大事だと学びました。
私は人の話を最後まで聞かないところがあるので、まずは聞き、信頼関係を築くことを大事にするようになりました」と笑顔。その成果は顕著に表れており、トレーニーの永山さんはOJTを振り返り「城間さんは話を最後まで聞いてくれるし、どれだけ忙しくても手を止めて話を聞いてくれて、相談しやすかったです」と話します。

OJT期間は5~11月の約半年間。半年の研修期間が終わると、数字の目標を持ちはじめ、一人立ちします。
無事研修を終え、現在は一営業マンとして職務を行う永山さんは、迷った時は今でも城間さんに相談するとか。「僕にとって城間さんはお姉さんのような存在です。城間さんは、自分が失敗した時、僕に『こうはなるなよ』と言ってくれるような人なんですよ。だから信頼できるし、褒めてくれる時は心から褒めてくれてるんだなって思えます」と笑います。
研修を前向きに学んだ城間さんと、そんな城間さんの指導を素直に受け止め、時には正直に思ったことを伝えた永山さん。
ふたりの努力と歩み寄りをサポートできたことを嬉しく思っています。

今回、取材を受けてくれた「中部興産株式会社」の皆さまです!

山城さん

中部興産株式会社
人事担当

城間さん

中部興産株式会社
トレーナー

永山さん

中部興産株式会社
トレーニー